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ゆずぶろぐ
ゆーえの語るブログ。主に、フォーチュンクエスト(著:深沢美潮、電撃文庫)のトラパスについての創作やらなんやら
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新作完成★下のタイトルからどうぞ。

しかしトラップ視点にしてみたら、なんかすごい事に。

そのうちパステル視点で後日談でも書こうかしら。

 

慣れない事はするもんじゃないです

 

 

 

 

 

 

 

 

 


朝起きてみたらやたらと寒くて、布団から出るのが面倒だと思った。
あいつは風邪を引いたりしてないだろうか。
そんな似合わない考えが頭をよぎって、おれを悩ませる。
心配だった。あいつには、笑っていて欲しいから。



「ちょっとトラップ!まだ寝てるの?いい加減起きたら?」
急にバタンと大きな音がして、ドアがノックも無しに開かれた。
いつもいつも、俺にはノックしろって言うくせに、勝手なヤツ。
おれはとっさに布団に潜り込んで、狸寝入りを決めこんでやった。

見なくても分かる。
この毛布の向こう側で、はしばみ色の目が困ったようにおれを見てるんだろう。
あいつが、そうパステルが。
「トラップってば冒険者のくせに寝起き悪いなんて…呑気なんだから」
おれから見れば、おめぇの方が呑気だけどな。
そんな言葉を飲み込んで、狸寝入りを続ける。
パステルはおれが起きてるなんてことには微塵も気付いちゃいないみたいで、そ
れがおれの好奇心を掻き立てた。

「あ!トラップ!こんな所に宝箱が!!!」
「…な、ホントかよ!!」

ガバッと跳ね起きる。
だけどこんなのに騙されたわけじゃねぇ。
こいつを脅かしてみたかった、ただそれだけ。
「…え…きゃっ…!!」
おれを覗きこんでいたパステルは呆れるほど無防備で、いとも簡単に抱き締める
ことが出来た。
こんな風にこいつの温もりを感じられたのは久しぶりだ。
どんなに想い合っていても、おれたちは『恋人』である前に『仲間』でなければ
いけないから。
それを崩してはならないと気付けないほど、ガキのままではいられなかった。
「ふん、おれを騙そうとするには、まだまだあめぇな」
「…なっ!ちょっと、トラップ!あなた起きてたのね!?」
文句を言うパステルを無視して、おれは半ば無理矢理毛布の中へとパステルを引
き入れる。
当然抵抗された。が、それは強くは無かったので、本気で嫌がってるわけでは無
いだろう。
「トラップ!」
「わぁーってる。すぐ起きるから、少しだけ」

今はまだ、少しだけ、でいい。
少しだけ、側に居たいんだ。

しばらくしてパステルは観念したのか、抵抗を止めて、おれの隣におとなしく寝
た。
それがまた、あまりに無防備だったので、おれはますますからかいたくなる。
「寒い日は、布団から出られねぇの。だから、暖めてくれよ」
「……へ??どういう…」

「どうすりゃいいか、教えてやろうか」

からかってやるつもりだった。
きっと「バカ!」とか言って、真っ赤になって出ていっちまうんだろうと、そう
思っていた。
それなのに。
パステルは、ただ真っ赤になって抵抗することなく縮こまっていた。
その姿を見たおれは、何だか急に罪悪感に見舞われる。

「…ばぁーか」
予想した台詞を言ったのは、おれの方だった。
ただその響きは、自分でも照れ臭くなるくらい優しかったけれど。
壊れてしまわないように、でも離さないように、強く抱き締める。
ただ、からかいたいわけじゃない。
本当はこうするだけで良かったのかもしれない。

「ただ、側に居てくれりゃあそれだけでいい」

いつもなら言えないはずの気持ちが口をついて出てきて、きまりが悪くなる。
何だか急に照れ臭くなって、おれはパステルの鼻をつまんでやった。
「っ……!」
「おめぇ、今絶対何か変なこと考えただろ?別にいいぜ?俺は」

沈黙。
そして、予想通りの反応。

「…はぁ?!何言ってるのよ、トラップのバカ!!」

さっき考えた通りの台詞を吐いたパステルは俺の腕をはらいのけて、ベッドから
ドアの方へ歩いていく。
おれはそんなパステルの後ろ姿を見ながら、やっぱりおれたちはこうでなくちゃ
ならねぇな、と思った。

こんなくだらない痴話喧嘩さえもが、おれを幸せにしてくれる。

ずっとこうして二人、幸せを感じながら毎日過ごせたら、と思った。

「パステル」
「…え?」

「ドーマの冬は、シルバーリーブより寒いんだ。だぁら、ドーマに行ったら、こ
れくらいじゃ済まさねえぜ?」

振り返ったパステルの顔は、さっきよりも更に赤かった。
おれは悪戯が成功したかのように、笑いが堪えられなくなる。

「…な、何言ってるのよ、もう知らない!」

身近にあったクッションを投げつけて、パステルは出ていった。
もちろんクッションは、的外れな方向へ飛んで行ったけれど。



あいつは気付いているのだろうか、今おれが言ったことの本当の意味を。
―――ずっとこうして、一緒に暮らしていきたい。

でも今はまだ、気付いていなくても良いんだ。
いつか、『仲間』ではなくなった時でも遅くはないし、もしあいつがどこかへ行
ってしまっても、おれはきっとあいつを盗み出せると、そう信じているから。






--------------------
偽物トラップキタ━━━(゜∀゜)━━━
てゆうか、これがトラ視点だという事に気付かない方が何人居るのでしょう。
もういいさ、あはは。笑ってください。

ちなみにこの二人は、お互いの気持ちには気づいてるけど付き合ってない(なにそれ)、みたいなつもりです。

こんなの書いておいて今更アレなんですが、トラップは据え膳食うタイプだと思
います。
でもパステルにはそうしないで欲しいなっていう願望です、あぁどうでもいいで
すかそうですか
15~18禁ものはこっぱずかしくて書けないだけだったりしますが。

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ゆーえ
性別:
女性
職業:
某マンモス大学生
趣味:
音楽鑑賞とかネット、小説読んだり書いたり飲酒したり
自己紹介:
じれじれなトラパス大好き。
だめ学生まっしぐら。
だいぶ隠れオタクさん
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